November 30, 2009 頭の中に流れるジングルと黒猫の「マキ」 ***独りで飲んだくれて具合の悪い朝を迎える日々、どんよりと曇った空はなんにも話しかけてこない。頭の中では繰り返し流れるジングルの音。寒気さえ憶えるような寒さの中でたった独りで歩くこということ。「マキ」って名前なのだからそれは勝手にメス猫だと想う。色は黒くてちいさな猫。黄色がかった丸くて大きな目。細いモルタルの壁を唄うように軽々と登り駆けていく様はそれが猫だって分かっていたってたいしたものだと思うのだ。眠りにつく深夜から朝へと変わる時間にも現れて僕にすこし目配せをしていつものように壁に登ってどこかへ行ってしまう。挨拶もない。時間の間に住む彼女には飼い主は存在しない。食べ物も飲み物も要らない。そこでは全てが自由になっているから。もちろん本人が望むのならばそれを手にすることだって出来る。でもマキはなにも欲しがらない。壁を伝うこととその優雅な手足を存分に伸ばすことが出来る場所があればそれでただよかった。瞬きの奥には特別な光がみえる。ためしに僕は名前を呼んでみる。今更だけどもちろんマキって名前だって僕が勝手に呼んだものである。彼女は彼女なりの特別な名前を持つべきであり必要なかったらそれも彼女が決めることである。名前なんてただの記号だ。自由の取り決めの中ではそんなことをいうヤツだっているのかもしれない。名前を呼んでみる。彼女は立ち止まりこちらに視線を向ける。もう一度今度は静かな声で呼んでみる。「ねぇ、マキ君はどこから来たんだい?」 彼女は不思議そうな顔をこちらに向けて怪訝な表情を崩さずにただこちらを見続ける。 まるで質問そのものが履違えた左右違う靴を眺めるように。沈黙。僕はすこし瞬きをする。彼女は消える訳ではない。佇む。写真に写らないもの。そんな世界がある。声に出しても聴こえない世界。不穏な空気だけが辺りを彷徨ってどこにもいけない風景だけが刈り取り後にも残され続けているカカシを思い出させる。歪んだ世界。そしてその隙間に住む彼女。僕はそれを知っている。たしかではないし証明することだって出来ないけれど。僕はそれを知っている。***
November 28, 2009 ある映画 ***あまり映画を見ない、基本的にはほとんど観ない。観るとしたら同じ映画ばかりを繰り返して観るのを好む。本と同じだ。どうにも馴染めないというのが理由だとは思うのだけれど。映画ってのは僕にとって傍観となる。傍観ってのがどうにも苦手なようだ。と言いながら最近はまとめてDVDを買ってみた。買ってからはしばらく放置、これもどうにもいつものこと。で、せっかくなのでスタッフとのゴハンの時間を利用して観てみることにした。「ナイト・オン・ザ・プラネット」ジム・ジャームッシュ のずいぶん前の映画だね。TOM WAITSが音楽を担当していて以前から音源だけは聞いていたから観ようと思った。結果的には繰り返して観るかのジャッジはまだ先かな。この人の監督の映画ってなんとなく観るし結果買うんだけどいつもよく分からない。でもロベルト・ベニーニとかも出てたからうれしかった。好きなんだなあの人。中の台詞でこんなのがあってちょっと好きだった。元ピエロ=道化師のタクシードライバーの台詞。「お金は大切だけど、必要な分で十分だ」って感じだったかな。昨日のお昼ゴハンの時間と今日のお昼と夕飯で見終わる。ちょうどいいかも。どうやらその映画ってのはその映画の勝手なスピードで話が進んでいく。そりゃそうだ。んで、僕はそのスピードについていけない。あとは外人さんの顔はみんな同じに見えてしまう典型的な人間だからどちらかと言えば邦画の方が分かる時は多い。でもやっぱり要は傍観者になってしまう時間が苦手なのかもしれないと思う。ストーリーがよくいつも分からない上にその映画に出てくる人間の顔が分からずで横文字の名前とか地名とか道名とかも憶えられないから話がチグハグに見えてしまうんだと思うのだ。だからあんまり難しいストーリーとか深いヤツは基本パス。分かりやすいものか画がキレイなモノが好き。「オードリー・ヘップバーン」物ほとんど とにかく画がどれもいいですよね。「シンドラーのリスト」(最近DVD買いましたけど昔はビデオ擦切れる程観たなぁ)「BLOW」 実話ってのがいいですよね。ジョニーデップ物は結構好きかなやっぱり。「DOWN BY LOW」 TOM WAITSとロベルトベニニー二とジョン・ルーリー のヤツこれは内容はよく分からないけどメンツもいいしダサかっこいい感じがいいね。TOMとジョン・ルーリーっていう音楽もかっこいいし。「ゴットファーザー」やっぱり観ちゃいますよね。まぁ。だからなんだって感じなんだけど。こんな年の暮れが近づいてきていても東京って場所はとても暖かいとやっぱり思う。と言いながらかなり厚着をしていますけど。でもこんな時期に昔は田舎だったしとても寒い場所だから単車になんて乗れなかった。今は東京でまだ平然と単車に乗れる。なんだか不思議に想ってしまう。今日の日中は暖かかったからグローヴなしで途中まで乗っていた。気分のいい土曜日だ。スタッフの誕生日のプレゼントを買いがてら独りドライヴ。悪くない。 明日からは寒いらしい。ちょっと嫌だけどそれでないと季節の意味なんてないしこんな時期は特別な季節だと想うんだわ。 とにかく大好きなTOM WAITSなんでかってのはよく分からないけどたぶん10年くらいほとんどをこの人の唄で過ごしているかも。歌詞なんてほとんど僕は分からないけど一つの唄が一つの物語として聴こえてくるんだ。***
November 27, 2009 フライパンの唄 ***今日も革パンに足を通して入り口の扉を開ける。極端な程に窮屈に僕はパンツを穿くから一番上のボタンが掛かるようになるまでには随分と時間がかかる。馴染み始めるまでのその時がとても好きなのでもある。流れ星みたいな時間は長くは続かないこともあって、残念だけれど仕方がないことだって沢山あってそれらに自分を馴染ませることはとても時間がかかるしあまり好きな時間ではないってこと。あるメール、うれしくもありやっぱり悲しいとも想う。ありがたくもあって寂しいこと。 時間は波のようにやってきて砂浜を削るようにその辺りをさらりと流してすぐにまた海へと帰ってしまう。それはとても長く感じながら実は驚くほど短いという現実への時間。朝はRADIOを流す。決められた行為。フライパンの唄が聴こえてくる。耳の奥から。とりとめのない唄。***
November 25, 2009 ある時飛行機の中から見えた情景のように ***別にいつだって全部が快調なんてことはない。どちらかといえばいつだってそうでないときの方が多い程だと思う。キャンドルの灯火のようにそれらはどこにもいかない想いや願いのようにあたりをただ漂う。なにも出来ずにほとりに佇む僕は息を飲むことが精一杯のこと。なにも出来ないということ。 朝起きると大量の汗をかいていた。深夜の眠りの中の途中でも起きて着替えたのに朝にはまたそれらがびっしょりと濡れているのを感じた。昨晩飲んだ風邪の薬は効いたのだろうか。ポカリスエットを一気に飲干してまた薬を飲み込む。明け方の街を想いながら。いつだって自分に課したものを思い詰めてなにも出来ずにただそこで足踏みをするよりは目の前に広がった飛行機から見えた風景と情景のように偉大ななにかにおののいてでも、畏れを想ってでも足を一歩前に踏み出したいと思う。そうであるために、今日はあるし今はある。ただそう思うだけ。山のように積み上げた蟻塚を眺めながらどれから手をつけていいのか分からなくなるときだってある。ただしそれらを眺めているだけではそれはいつまでもうず高く積み上がった蟻塚のままであるんだ。一段、一段とそれらを解体しながら作業は続く。空想の中での出来事と今ある自分がリンクする瞬間。ただそれを探しながら。ある時飛行機の中から見えた情景のように***
November 23, 2009 戻りました ***どうにも携帯から書くのは苦手だなぁ。というかよく分からないのだ。なんとか無事に戻りました。さすがに都心に近づくにつれ随分と暖かくなって、ただ渋滞の恐れがあったんでほとんど休憩をとらずに走ってきた。途中からは上着も一枚脱いで気楽に戻れました。ついでってわけでそのままオイルの交換などにも行ってきて。極端なほどに冷え性な僕は寒いところがとても苦手で特に手はすぐにかじかんでしまって痺れてきてしまう。いままで薄手のグローヴしか持っていなくて今回走るにあたってさすがに怖くて新しいのを新調した。「JUNちゃんサンキュー!なんとか走れたぜぇ」お客さんでもあるFAMILYが愛用しているってのを教えてもらってそれを前日に買いに行った。そいついわく『真冬も寒いと思ったことないです』とのことだったけど、僕にはギリギリって感じ。でもこれ以上はきっとないなと思った。一応の保険として薄手のインナーグローヴも持って行ったけどね。夜だったらアウトかなぁ、俺は。 とりあえず肩はパンパンです。さすがに体力ないからね。しっかり休んだら明日からはバタバタやることだらけです。まぁ今日もまだまだやりますけどね。とりあえず報告まで***
November 20, 2009 ゆきだるさん なんだか携帯から書くなんてのは初めてで…さっぱり分からず。なんせ携帯で地図すらも出せないし、赤外線とかいうアドレス交換とかも。 まるで『ゆきだるさん』みたいな格好になって単車に乗って寒い場所へと向かった。気がつけば一番暖かそうなアイテムは赤ばっかりだったから赤いゆきだるまみたいな感じかな。 途中に休んだPAにはハッキリと先日降った雪がまだ残されていた。 ちゃんと携帯から書けてるのかな? さてさて