白い夜、黒い夜。

てくてく歩く。とぼとぼ歩く。ゆくあてなんてどこにもない。
夜の空は昼間よりも随分と遠くまで続いていて、どこまでも果てない。
それは一種の旅のようだ。雨の降らない砂漠と同じ。消えることも生まれることもなにもない。

灯は終わりのない旅を続ける。
終われるのであれば、それが良い。


夜の空の向こうからやってくるうっすらとした明かりに照らされる街。
彩りをたずさえて悲しみを運んでくる。


でこまでいってもこの旅は終わりを告げないのか。
終わりなど初めから存在しないことのなのか。

そうでないと信じたい。
信念だけが突き動かす力。

白い夜はただ白く。黒い夜はさらに黒く。