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昨日は深夜までいままでに作ったいくつかのアイテムを壁一面に並べてみた。

すごく沢山作ったつもりでも大した数ではないのだけれど、レザーとかいくつか
大きなモノを眺めていた。気持ち的には少し先にある次のデザインの為なのだけれど、
どれもこれも自分としてはもちろん愛着もあるし、そこに至る旅の経緯を想い出しながら。
スタッフと二人であるバンドの映像を眺めながら、そこに並ぶモノであり、者を見つめ
また新たな旅を思い浮かべる。
退屈で至福の時間のようにも想う。

あれやこれや、別に洋服を作るということ自体とても神聖なものではないような気がしている。
神聖でありたいのは、それを結ぶ一点の点がさらなる点を結び線となったときなのだと想う。
そう、想う。

宵の口。時間はいつだって短い。夜は真摯で神聖な時間を僕にくれる。
大切なのはそれが当たり前にあることではないということを自分が知ることだと想う。
それは有限であり、限られた中での偶然の産物であり、それを手中に持つことは決して
自分の力ではないということ。奢らず、昂らず、謙虚にあるべきだと。

いわゆるプロモーションと呼ばれるビデオの中に隠されている真実のように、
僕らは自分達の答えを探し彷徨う。時々はもちろん途方にくれることもあるけれど、
それもそれで楽しいとさえ想える作業。今ここに立ち、得ている場所。与えられている
確かな場所、ありがたいという気持ちとこれを続けたい気持ちと、相反するいつ投げ出しても、
いつ、この建物が更地になるとしても恐れのないただひたすらにある瞬間の絶対性。
無限と過信せず、ワイヤーの上の綱渡りであることの真実を求め。
ただ、ただひたすらに。
ひたむきにありたいと、願う。


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