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ガレージの前には動く鉄屑、錆び付いたそのタンクは錆びていてはじめて
そこに愛着があり、右の足が悲鳴を上げるステップも今ではもう慣れた。
持ち上げられたハンドルは天を指し、むき出しのベルトが廻り続ける。
男はなんでそんなものに憧れながら、有限の時間と無限の金銭を差し出すのか。
雨はまだやまない。
錆び付いた鉄屑に話しかける「いつだって死にそうな目に遭いながら今でも生きてる」
相手はいつだって無言を突き通す。

鍵のないガレージの中では僅かな音が洩れ出している。低く唸るベースの音。
リズム、リズム、リズム。

錆び付いて動かなくてもその男はその塊を諦めることはないのだろう。





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