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誰もいなくなった事務所で真夜中に独り仕事とも名のつかない仕事を片付けながら
少しだけお酒を飲んで音楽に耳を傾けてみる。
別に幅広く音楽を聴くタイプでもないし、洋服やそのスタイルと一緒で気に入った
ものをずっと飽きる事もなく聴き続けたり、着ているのだと思う。

終わった夏のことを思ったというか、偶然前に入れていた曲が流れて来た。
すごくいい唄だし、いい絵だと思ったヤツ。

いつもそうだけど、すごくすごく心からハッピーなものが苦手なんだ。
分からないけど、自分にはあってはいけないことだと思うからかもしれない。
良くわからないけどね。
例えばすごくただハッピーな映画は見れないし、唄も聴けない。
自分にはなんだか荷が重いと思うからかもしれないね。
あとそうであってはいけないという気持ちとかさ。

いろいろな後ろめたさをもって時間が過ぎるのを待っている。
いつの日にも許される事のないことがあることを知っている。
それは自我が芽生え始めてからずっと消えない記憶と同じ。

ぬいぐるみに話かける。

「ARE YOU HAPPY?」









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