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随分とドタバタが続いて少し落ち着くのか、といってももうしばらくのこと
10年くらいの間でゆっくりと時間が流れるのを感じたことのない僕は、もし
そうなった時にはひどく狼狽し怯える事になると思う。

昨日も大切な家族が南の方からやってきて、残念なことに余り過ぎる時間の
ない中で話が進み、深夜にはとてももったいないことをしてしまったり。

僕は想う。やっぱり「人」なんだなと。

大したモノは作れていないと、いつもどうしようもなく思ってしまう自分が
ここにいて、それはデザインだとか企画する者としてのまるでそれは自己との
内輪モメみたいなものなんだけど、そういう僕の不確かな部分を飛び級で越えて
いくようなあったかで、気持ちがいい人達が自分たちの支えでもあり緩やかでも
坂道を上るようなことに繋がっているのだと思う。

昨日小僧に言われた事。
「あなたはモノに向かってなにかを作ってないですよね〜」確かにそうかもしれないと。

人が着る事や、誰かに触れる事。そしてその床下であるグランドで流れる音楽、地上を
大地を揺るがす音楽、風の音、穏やかな風景や凍てついた雨。
僕の中の混沌とした部分とあからさまな計画無視の建造物的要素を含んだモノたち。

人から人へと向かい繋がっていくそのプロセスや旅路が楽しいと心底思う。
ずっとずっと変わっていない事。お店に立っていた頃や今。

「あくまで服は着るもの」だという信念といえば仰々しいがそんな概念。

「カッコいいヤツが着ればなんでもカッコいい、だからそれを目指しなよ」

よく店で吐いていた言葉。

昨日来た南の家族はとってもカッコ良かったぜ!

すごくそういう奇跡に巡り逢える事に僕はいつも感謝する。


ありがとう。



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