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古い事務所では今年最後の納品の準備をするスタッフの姿。
今は夜の11時。
夕飯のあとの二部構成が基本のうちの仕事の今はその第2部です。
ゴハンの後はだいたい取引先でる家族の店も閉店しているので、その日にみんなが
書いたブログなんかをチェックして。僕らはそこからさらに夜の深い仕事へと向かい
出す。




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深夜、世間では夜遅く

事務所の前の通りは人通りも少ない。




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古い事務所といってもまだ借りて二年は経たないのだけれど、そこから新しい事務所へと
階段を下る。
建てられて20数年というアパートは管理人さんというか大家さんが上に住んでいるし、
毎月お掃除のプロの人も出入りしているからとてもきれいに保たれていて、今日なんかも
煙草を吸いながら大家さんと少し世間話をしたり、先日は大家さんの弟さんとお話したり。





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懐かしい人にとっては懐かしい看板が階段を下ると在って。
時々訪ねてきてくれる昔の仲間みたいな家族に会うのはとても、もちろんうれしいことだ
ったり。

大切なのは僕は僕のまま在り続けることだったりすることだってある。
なにも出来ていないけれど、少しくらいの勝手な責任を軽石みたいな心の中で想ってみたり。
大事に借りている看板を掲げるのもそういうことなのかもしれないなと想うことだってある。





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仕事場にはコーヒーは欠かせない飲み物だし、一向に進む気配のない紙束と闘いながら
夜は深い深淵の部分に向かってひとりでに歩き始める。
僕に出来ることは待つことだけだったりもして、暗い森の中を独りで当てもなく歩き
続けることにそれは似ている。
JUNEから買ったネパールで編み込まれた大きなブランケットがとても暖かい夜。





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毎日まいにち繰り返される仕事であり、それ自体があることへの感謝の念と満足感。

さっきは素敵過ぎる贈り物を贈ってくれた方から電話を貰った。
電話では伝えきれない感謝の言葉、ありふれていてそれでいて語彙の少ない自分への
惨めで稚拙な言葉遣いを反省しながら。でもね、その感謝を僕は形にして返したいと
想うし、それはいつの日かきっと見えない輪になって大きな空を跨いだら素敵だと
やっぱり想う自分がいることや、うさぎのように純粋な目を忘れた僕がそういった素敵な
贈り物を頂けるうれしさ。
悲しみの火や愁いの火がいつかは世界中を暖かい心の灯火として変わるように、
「ありがとう」が自然とその心から溢れ出すように。

ジョンレノンじゃないけれど、「想像」してみてほしい。

悲しいことが沢山多いより、素敵なことが沢山溢れている世界。

きっとその方がみんなうれしい顔をするんじゃないかな?

すごく簡単に、すごく素敵な星が沢山空には在る方がいいと想う。

夏が暑いように、冬が寒いように。

大きなくじらが海を気持ち良く泳ぐように、鳥がその羽ばたきを広げるように。

世界を変える力があるのはきっと「それぞれ」の心だと想うから。

きっとそれは大きな輪を描くと僕は信じているから。





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