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ぼんやりと雲の向こう側にあるもののことを考える。

空をまたぐ鳥達の想いを考える。

草原で草を食む羊の群れのことを想う。

みな大きな囲いの中で生きている、生かされている。

夢見がちな少女は何を想う?

明け方にベットの上で独り電灯の下、本を読みながら。

ある時、街の角で出逢った男はこう言った。「音楽のないダンスパーティだ」

自分の力ではどうしようもないことが多過ぎて僕は頭を抱える。

明日が来ると誰が教えてくれるんだい?太陽?月?

水平線の向こう側に誰もが行きたいと願う。

橋を渡った向こう側には拓けた明るい土地があると聞く。

全ては幻想と夢想から始まる出来事。

未来なんてどこにもない。

歩いた分の軌跡が過去であるということだけが、たったひとつの確かな轍。

夕方の雨に心を躍らせて。





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