***




ちいさな言葉や詩がいつか唄となることを信じ歩き続ける男

言葉を紡ぐことを止める時、それは彼にとっての自虐的行為でもあり背信的要素に身を包む
こととなるだろう。

歩幅に合わせて灯火が揺れる

波打ち際を歩くことへの恐怖と情熱

虚偽、偽り、自らに訴え掛ける道徳心の道すがらに出逢う他の旅人

電気仕掛けのごとく、また日々の固定されたネジを巻き続けるような日常

あってはならない出来事の連続性

連続性に生まれる螺旋階段のような変わらない風景と情景

山の頂きに立ち迎えた夜空

誰もいない道をだた独りとして歩き続けること

ひっそりと雨音は増し、心を静かに整える

命は灰になり、あとにはなにも残らない


あとにはなにも残らない



***