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もう、今日の何杯目かはさっぱり分からなくなったコーヒーを左の手に
掴んで飲む。かれこれぶっ続けて4時間くらいのタイプライト。
さすがに少し腕と指が痛んでくるし痺れてくる。
昨日も4,5時間くらいかな、もうちょっと書いていたかもな。
まだまだ終わらないけど少しだけ先が見えてきたのはうれしいような気
はするかな。

そういえば良く体の心配をされるのは昔から。
ありがたい話だ。

それでも年齢を重ねてきて今は以前に比べたら良く休んでいる方だし寝て
もいる。以前は朝日が昇る前に眠ることはなかった。なんとなく太陽が昇
ってくるのを確認しないと落ち着かなかったし、仕事に結びつく遊びを毎
晩繰り返していた。自宅に帰宅するのがまずは3時前ってのが少なかった。
その頃はお酒も1滴も飲まなかったしなぁ。今はこの生活が当たり前になっ
てきてさ。気分は17歳のままでもやっぱり歳はとるし体力は落ちてくるの
を肌で感じる。まぁそういうことを言い訳にはしたくないんだけれどね。
朝方に帰ってきて、本を読んだり煙草を吸いながら適当にライブの映像を
みたり。朝日が昇るまでの時間は特別だったのをなんか想い出した。
寝ることがもったいなかった。
眠ることが恐かった。
そんな時期だったのかな。

展示会の前になるとどうしてもやっぱりそれは僕らにとって特別なことで
あり特別な時間なんだと思う。不思議と寝たくなくなる。
体力もいるし、本当は寝ておかないといけないのだけれどやっぱりそういう
テンションというか不思議な気持ちがやってくる。
僕みたいに、そして僕みたいな人間が「これ欲しい」「こんなのがカッコいい
と想う」って勝手に作ってさ、それをわざわざ遠方や近県から見にきてくれる。
そりゃあね、仕事っていう言葉で括ってしまえばそれまでって言われるかも
しれんのだけれど。僕にとってそれはとても特別な大切な時間なんだ。 

普段買ってくださっている全部のFAMILYにも繋がっている全部の人にもそう
思うんだ。ありがたいのはもちろんホントにありがたくてうれしい。
でもずっとずっと不思議な気分でもあるんだわ。

昔は誰かがそれを作ってくれていた。お店の頃。
FAMILYとして展示会に仕入れに来て下さる今のお店の人達と同じように僕も
買い付けに行っていた側の人間だった。展示会に呼ばれて行って見て、着て
「気に入った!!」って言ってそれを仕入れて。

自分じゃない誰かが作ってくれた最高にカッコいいと感じる洋服達。そして
キャンドル。作ったのが自分じゃないから100%カッコいいって言って販売
した。

今は違う。全部は自分なんだ。だからやっぱり時々恐くはなるわね。
評価も評判も含めて全部直接自分に返ってくんだもん。

だから、だからすごくすごく感謝しています。
お店様にも実際に買って下さっているエンドユーザーさんも。
だから僕にとってはみんながFAMILYなんだって思うんだ。

少しでも想いが届きますように。
少しでも作ったモノが見てもらえるように、知ってもらえるように。
そして年にたった4回しかこの特別な時間はやってこないから、
そう想ってがんばって資料を作っています。
ただそれだけなんだ。 

カップの珈琲はまた空っぽになった。

午前2時の事務所 お独り様にて。







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