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時折迷って歩いてみたり。そんな日は続いていく。
昨日の深夜に随分と独りで酒に酔っていてなにか今日書くことを思いついた
クセに忘れてしまったりして。
いつもなら思い立ったその時にメモをとるなり、携帯からPCへメールを入れ
たりするんだけれどそれすらも忘れていたみたいなんだわ。

ふと思って古本屋に立ち寄ってとある古い音楽雑誌を手に取った。
2000年って時よりもっともっと古いやつだと思うんだわ。

別に他に読むものがなかったからしばし読みふけりいろんなことを考えた。
たいしたことはなにも書かれてなくて、ただ好きなミュージシャンだったし
その人の世界に飛び込んだ気持ちというか、目の前で自分がインタビュアー
のような気持ちになってさ。

なんだか少し勇気をもらった気がした。

特別なことはなにも書かれていなかったけどね。

でもそんなこともあるんだなぁって。そう思ったんだわ。


僕の大好きな兄のような人が立て続けに二人結婚した。
どっちもモノを作る人。
なんだかうれしかった。

「たいへんだけどがんばるよ、また遊ぼうね」

おめでとうのメールへの返信はらしいくらい簡潔で、でもなんだかやっぱり
うれしかった。

やっぱり僕には唄は唄えないんだけど、それでもなにかが出来るような。
そんな気分になったんだ。

音楽は典型的で象徴的なものかもしれないし、多くの小説家の文章やエッセイや
なにか文学的なものもきっとそうだと思う。洋服なんてすでに洋の文字がついた
文化なのかもしれないけれど、それでも今はその中に身を置く自分として出来る
ことがきっとあると信じていたい。もちろんたいしたことなんてなに一つ出来な
いとしても。それをすることに、自分を啓発する為にもきっとそれは必要なんだ
と。

目の前が真っ暗闇の独り歩きでも、出来るだけまっすぐとかつて見たあの大きな
木の元へと向かっていくように。出来るだけそれらをずっと記憶しておけるよう
に。






writing by JOHNNY BROWN





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