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随分と寒い風が吹いているような気がしてさ。
だけどここで吹く風は以前よりどうなんだろうって。
それが僕にはわからない。

本を貸した。
大切で世界で一番好きな本。
何回も何回も繰り返し読んだ。
昨日だって日もずっとここのところまともな睡眠が取れちゃいないのに
結局朝方までその本の後半を読んでいた。
あと少し、また終わりが近づいたから最後まで読んでしまっていた。

何度読んでも分からなかったり、新しい自分なりの解釈がそこに
あったりして、グルグルとただひたすらに時が流れているみたいなさ。

自分にとってのミドリになって欲しいって心から強く思った昨日の明方。
リンクって言葉が正しい言葉なのかは僕には分からないのだけれど、
誰かを信じるんじゃなくて自分を信じるだけの日々を送るだけだと改めて
思っただけさ。

頭の中ではずっと同じ曲と同じ歌詞が流れていて、その歌詞は行き場を
失くしたみたいにずっとずっと鳴り止まない。
辿り着くことをしらないその歌詞が辿り着くのはどんな場所なんだろう。

彼は言った。

「ROCK'N'ROLLを知ってるのは俺だけだって」

キースリチャーズが昔言った。

「ROLL」はどこに行っちまったんだい?って。

僕はどこに辿り着き、その場所から自分の場所を見渡すことが出来るだろうか?
そしてその場所は新緑に溢れているんだろうかってね。
落ちないように気をつけなきゃ行けない。
いつだってそこには小さくても深くて底知れない真っ暗な闇が待っているって
こと。
誰もヒカリなんてくれないのだから、そのヒカリを自らの手で捕まえなくちゃ。

街ではいたるところがライトアップを始める。
そんな時はあまり得意じゃないな。
あとは春なんかが好きになれない。

椅子取りゲームのはぐれもの。

そんな気分になっちゃうから。

ミドリ、ミドリ。

春を好きになれるようになれたらいいな。

あの唄はまだ頭から離れない。
赤ペンだらけの貸した本。





writing by JOHNNY BROWN



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