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時々ふとしたことで心が沈む。

同じようにふとしたことで心が弾む。


でも、割合で言えばどっちが多いかな。


なにげなく食事の時に観たテレビCMはとても幸せそうで。
でも、同時に僕にはなんだかとても暗い影を見つけたような気持ちに
なった。
探してもみつかりっこない自分の無くした半分の濃い影のような。

ある朝目が覚めて、そこにはなにもなくて。

ベットも枕も。

そんな気分になることだってあるんだ。

夢を見ずに起きる朝が僕にはないように、なにかにいつも追われている
ような、そんな気がする。もちろん追っているのも自分自身であること
くらいは理解している。

時々はそんなことから逃げたくもなって、それでもどこにもいけないこ
とを痛切に想うし、知っているから今日も黙ってデスクに向かうだけ。

あの日見た空の高い青さ。

昔はよく写真を撮って歩いてた。
カメラが傍らにないことは恐くて、いつも肌身離さずにいた。
いつだって素敵な瞬間がそこにはあったから。

それらをいつだって切り取ることが出来るように。
その瞬間を嘘つきの紙切れだとしたって残しておきたかったんだ。
今はカメラを置いた。
触ることはほとんどない。

写真を撮ったことで目に焼き付いたことはとても多い。
今だってそれらは目の奥で僕に訴えかける。

そして動くことはない。

確かな時がそこにはあった。

長い1週間。

耐え難き時だとしても、時間のネジを先に巻くことは出来ない。

なにも出来ない僕の手。

その力の無さにほとほと嫌気がさすことだって沢山ある。
それでも歩みを止めることが出来ないのはなんでだろう。
いつも抱え切れない書類を持った心。

長い1日。

ただ待つことの時間の長さを知る。

変わらない日々の中で自分はなにを出来るだろう。

昨日観たテレビの録画。

その中には素敵な人が映っていたよ。
どうしてそうなれるのか?
どうしてそう居れるのか?
どうして、どうして。

ネジを巻くように心の奥でなにかが聞こえた。

旅の轍のように。




writing by JOHNNY BROWN









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