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さすがに明け方からの仕事で目が止まってきて少し休憩しながら
開いたページにこんな書き物があった。


で、ふと思った。

あまりなにも考えず僕は自分の洋服達に名前を付けてきた。
僕が勝手につける名前。

洋服の企画自体もそうだけど、なにかを始めるとその背景の物語り
の文面や背景、音や風の色が目に浮かぶ。そういうのが一番大切だ
と思っているし、それが降りてきてくれるのをただじっと待つのが
僕の一番の仕事でもあるかもしれない。
浮かんだ景色が固まって色付けされてくるとどうしてもそこには似
たものが沢山浮かんできたりして。似ているというよりは繋がりと
言った方がいいのかな。
そのシーズン、シーズンでそういう「名前」とかも偏ってしまうこ
とが多々ある。

「あれ?この名前他の服にも付けていないかな?」

とか、調べ直すことは多い。
さっきもそうだ。



で、こんな文面がある。

「名前をつける」というのは、なんだか、
「プレゼントする」という行為と似ています。

なるほどなって。

自分にとっては名前を付けたこと自体が自然なことだったから
また違うとは思うのだけれど、なんだか素敵なことだと思った。

うちを出て誰かの元に届くのだから名前があった方がいいかなって。
そんな安易な発想。
でも、続けていくうちにあるお客さんは数字の品番ではなくてこちら
の「名前」で商品を尋ねてくれたりもする。


僕はずっと自分の乗り物とかに名前を付けてきた。
正確には男女的な部分も感じるからね。
命を預けるものだし、少しでも親密になれるように。

あとはモノにも命があると信じていたいからかな。
時計にだって、ネックレスにだって命は宿るから。

高価なモノが特別なものとは限らないでしょ?

誰かにとっての特別なモノはそこに特別な「なにか」が沢山詰まって
いると僕は思うんだ。

例えば僕にとっては初めて買ったブーツカットパンツ。
エンジニアブーツ。
初めて作った白いシャツとTEEシャツとかさ。
もう今は着れなかったり、穿けなかったりしてもやっぱり捨てられないよね。

大切なスカーフとかもさ。

また話が脱線しそうだからこの辺りでやめておこ。

そういえば単車で死んじゃった俺の昔のツレも自分の着ているモノや乗り物
に必ず名前をつけてたな。
「お互いセンスねぇなぁ〜」って言ってたのを急に思い出した。






特に関係ないけどたまにはこんな曲もいいか。


















writing by JOHNNY BROWN







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