2011-12-14 JOHNNY BROWN Blog



またこんな時間だ。

2時。26時ってところ。


さて、書こう。


KAORUさんから連絡と言うかふんわりとしたメールが来たのは
スコップをしに行くと仙台行きを急に俺が決めた少しあと。
なにを書いていた時だろう。
FUKUSHIMAの話をここに書いている時だったのかな。

そう、言葉を集め始めたあたりだったと思う。

具体的なことはなにもなかった。
でも、なんだかすぐにこの人の手を借りたいって思ったんだ。
俺自身今もそうだけど具体的なことはなにも決めていなかった。

まずはスコップをしにいく。
それだけを決めていた。

あとは団長の目付きをこの自分の目で確かに行くために。

「手を貸して欲しい、もし良ければ」

そんなことをKAORUさんに伝えた。

『出来ることならなんでも』

そう言ってくれた。

メールだけのやりとり。
時間はあまりない俺だから、一日おきくらいに互いに返信しあった。

そんな時事務所の倉庫をYU-TAと整頓していた。
行き場を失ってしまった展示会の為に生まれた俺の子供達。
サンプルアイテム。

思い立ってKAORUさんにメールしたんだ。

「もし、でいい。誰かまだ防寒着など秋冬モノを受け取って下さる方は居ませんか?」

って。

『現実にはまだ津波で家を流されたり、荷物を流されたりしてしまった人が居る
 自分の周りにも。職場にも友人にも。託して下さったら手渡しで渡します』

うれしかった。
ただ、それだけ思った。
自己満足かもしれない。
俺のわがままかもしれない。
それでもいいと思った。
誰かが受け取ってくれたらそれがいいと思った。

震災後ようやく現地へ入れる状態になって、それでも土地勘がないと無理だった
時期。友人で嫁さんの実家が気仙沼にある奴がいてそいつが言ったことがある。

「ねぇノッチ(俺のことをそいつはそう呼ぶ)余ってる洋服ないかな?嫁さんの
 実家に行くんだけど現地のボランティアに洋服を届けようと思っててさ。」

その時は悩んだ。
うちの洋服達は特殊だから。
メンズにしては細すぎる。
いち早く動きたかったから、本当は渡したかった。
でもまだ当時はボランティの活動者だけしか動けない時期だった。
あとはまだ混乱が続いていた。
別の報道ではモノが必要な人に繋がらない現実もあった。
だから悩んだ結果やめたんだ。

万が一を考えた。

邪魔になってはいけない。
迷惑になってはいけない。

ただ、勇気がなかっただけなのかもしれなかったのだけど。
今では分かりようもない。

今回は違った。
現地のその場に居る人に初めて直接繋がったって思ったんだ。
だからこの人に託そうと思った。

電話もしなかった。
メールだけ。
それでもこの偶然の出逢いを信じようと自然に思った。

ありったけのモノを心を込めて畳んで袋に詰めたつもり。
それしか出来ないから。
なんとなく深夜に近い時間だったけど一人でやった。
俺が俺の手で袋に詰めたかったんだ。

スコップへ向かう前日の深夜出発の時。
一つの大きな段ボールが出来上がった。
もちろんそれでもたいした量じゃない。
たぶん30着あるかないか。
ストールとか少しでも防寒に役立ちそうな小物も目一杯詰めた。

借りてきた安いレンタカーは7人乗りって書いてあったけど男が6人
乗るにはそれだけでも精一杯な感じだった。
だから段ボールを詰め込むのはすごく大変だった。
クロネコヤマトは荷物として運んでくれる。
いつもは俺んたの荷物も大切に運んでくれるって知ってる。

でも、どうしてもこれだけは自分たちの手で運びたかった。

くだらないって言われるかもしれないけど。
どうしてもそうしたかったんだ。
弟小僧達は乗り降りのたびに段ボールを一度降ろして乗り込む時
にはまたそれを出してから乗り込んだ。

モノは形を変えない。
でも、MINDは変わる。
そう信じている。

人がモノを生む。
人が運び、人が伝える。
だから同じモノでも「誰」のどの手を通るかでモノは意味を変える。
その「なにか」はきっとある。

俺だけでもそれは信じていたい。

スコップをしてから仙台へ向かった。
KAORUさんにこのモノ達を託すため。

女性へ対するデリカシーも思いやりも足りない俺は自分の力に任せて
こんな大きな段ボール一つに全部詰め込んじまった。
小分けにしてあげるべきだったね。
降ろす為に女性の力では随分と大変な思いをさせてしまったハズだ。
ごめんなさい。

でも、本当にありがとう。

モノ達と一緒に実はみんなからもらった言葉。
「おねがいごと」で頼んだ言葉を印字してあとは「one FAMILY」の時に
作った缶バッチと一緒に詰めたものを渡した。

一つだけ、KAORUさんには俺から手渡した。

彼女の被災者だ。
それだけは絶対に忘れたくなかった。
申し訳ない気持ちもあった。
可能なら一緒に俺も彼女の周りの方にこのサンプル達を手渡したかったから。

でもそれは現実的に出来ないから託したんだ。

それが本当にありがたかった。

それからKAORUさんはモノ達を自分の手を通して渡していってくれた。
そしてその度に受け取って下さった方の写真を送ってくれた。
そしてその方達が震災でどういう状況だったか、どんなに辛い日々を送ったか。
事細かに大切な想いと共に送ってくれた。
遅い日は深夜だったり。
自分の仕事もあるのに。

本当に本当にそれがうれしかった。

ずっとずっと俺たちの子供のようなモノ達はこの時を待っていた。

おい、俺の小僧ども。役に立てよ。こんな時に役に立てよ。
少しでも、少しでも彼ら彼女らの体を暖めてくれよ。
心からそう想った。
そう願った。

こんな俺らでも出来ることが少しでもあるなら。
どこかでこんな俺らのモノ達が役に立てるなら。
こんなにうれしいことはない。

俺が勝手にやったこと。

でも、これが出来たのはみんなのおかげなんだよ。

俺は絶対にそれを忘れない。
俺に賛同してくれなんて言わない。
文句があれば言ってくれ。
俺なりに精一杯の言葉で返す。
絶対返す。
理解してもらえなくても、届かなくても、それでも俺は俺なりの言葉を
伝える義務があるって信じてる。

みんなのおかげなんだ。

だから言い続ける。

FAMILYって。

THANKYOUって。

ありがとう。

ありがとう。

KAORUさんが居てくれたから出来たこと。

もちろんまだ全然足りない。
だからまだこれからも動き回る。
それは変えない。
その為に時間を余らす。
余らせたらそれを分け合えるように。

「手を貸す」

そう決めたんだから。

これは俺は降りないよ。

決めごとだ。

スコップの日は天気の予報は雨だった。
でも自然と作業をする間は雨は止むって思ってた。

絶対に止むって思ってた。
だから迷わなかった。
行くことにも、カッパを持っていかないことにも。

鉄板入りのレザーの長靴を履いた俺んたはどうにもスコップ団として
異色だったみたいだ。
ガラも悪い。
自覚はしてる。
だって俺は目つきが悪いから。
時々勝手に怖がられる。
別にそんなつもりはないけどさ。
まぁそんなことはどうでもいいんだ。

そして作業を始めると雨は止んだ。

やっぱりだ。

KAORUさんがスコップ前日にくれたメールにはこんな写真。

「てるるさん」

もちろん雨は止んださ。

そう、信じれば雨だって止むんだよ。

ねぇ、信じればなにかが変わるんだよ。

今はまだ瓦礫の山だ。

本当のその土地はまだゴミと宝の混じりの山だ。

信じよう。

元に戻るって。

信じよう。

俺は信じる。

信じるから、俺は信じることをやめない。

そして、俺は俺をやめないと決めたんだ。



15





スコップ団と動き出します。
俺は俺。

そうJohnny Brownって名乗ってたりする。

Johnny Brown Familyってことで「JB's」って名乗り始めた。

ダサいとか、そんな名前必要?って言われたら分からない。
でもダサくてもカッコ良いって俺は思ったからそうした。
俺の個別なチーム名みたいなもんだね。

で、スコップ団と団長と一緒でありながら俺は俺なりの行動をする。
俺の意思。
その為に。

もうすぐだ。

待っててね。

一緒に動きたい人待っています。募集はしない。
自発的に頼むわ。
だって責任持てないしさ。
関係はフラットがいい。

15人くらいがいいかな。
人口みたいなもんで。

これはまた新たな旅だ。
きっと寂しくて悲しい楽しい旅。

カッコつけていこうぜ。

俺んたなりにさ。



今日も読んでくれてありがとう。
長い書き物になっちゃった。

本当にありがとう。

ありがとう。

何度言っても言い足りない。


Thankyou for all my FAMILY.



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この間書いたこと。メッセージ待ってます。

「おねがいごと」読んでくれたらうれしいです。
今はメッセージの届け方なんかも自分だけでなく考えています。
続けること、それにも意味があるって信じます。そして少しずつでは
あるけど届き始めています。またそれも書きます。

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THANKYOU for all my Sweet FAMILY and we are thee ONE FAMILY.


writing & photograph by JOHNNY BROWN


KARINTOU.Co.,Ltd.


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