2012-07-06 JOHNNY BROWN Blog






「ヒカリ」を求めて歩く人。

そんな人が居る。

随分と昔に原宿を歩いてて、左に脇に見えた小さな個展の会場。

入り口はFREEになっていて、中は暗がりだった。

「灯火」が見えたから中に入ってみた。

キャンドルの灯りと奥の方ではスクリーンに映像が流れていた。
スクリーンを眺めていると、どこかの見知らぬ風景が溢れ出す。
抑揚のない止まりそうなトーンの音楽と僅かな人の動き。
決して長い映像ではなかった気がする。
なんだったのか、俺には分からなかった。

分からなかったけど、なにか心の奥の琴線に触れた気がした。

もう一度キャンドルを見た。

確か暖かい季節のようだった気がする。
外に出ると小さな臼のようなものに棒をぐるぐるとさせて音を出している
若者が居た。

「あの、それはなんですか?あとこの個展の場所の人って居ます?」

そんな風に聞いたと思う。
今に比べたら俺はずっと横柄ではなかったんだろうな。

『これは不思議な音が出る楽器のようなものです。共鳴して音が鳴るんだ。
 あと、「ここの場所」の人は今はここにはいないんです』

個展なのに関係者がいないとは不思議だなって俺は思ったんだけど、俺の
聞き方が悪かったんだな。

「ここの場所」ってのは「個展会場」って勘違いしたらしい。

主宰の人間は彼だったんだ。
それはのちになって気付くことだった。

彼は旅人のような人だ。
そう思った。

田舎へ帰り、とある先輩にそこで見たキャンドルの話をした。

『知り合いだよ、たぶん』

先輩はそう言った。

「本当!?俺に今度紹介してくれよ」

先輩は快く承諾してくれて東京までその後2人で行った。
道中俺は先輩に

「なんの知り合いなん?」と聞いた。

『弟の同級生』

地元が一緒であること、先輩の知り合いであったこと。
全部なにかが仕組まれているような気がした。
でも、今になって自分のこんな足で歩いてきた年月の全てがそうなのだな。

切れてしまって辿り着けなかった糸もあって、細いながらもなにかの
きっかけを俺が待っていたものにみな結び付いた。

今は確信を持ってそう言えるような気がするんだ。

情けないのかもしれないけど、俺はそんな偶然にいつも身を任せてきた。
自分で選択する勇気がなかっただけなのかもしれないけれど。

二度めに彼に逢った時、彼は俺のことを憶えてはいなかった。
それはそうだと思った。関係のないこと。
先輩は俺を紹介してくれて、話をした。

後日俺は1人で彼の元へと行った。
暗がりの二階の部屋で少し話をした。

見たことのない世界と見たことのない部屋。

地図の中を彷徨い歩いて辿り着いた場所みたいだった。

もう、ずっと前の話だ。
そんなことに気がつくのだって時間が掛かる。
つくづくと頭が悪い自分に時々苛々してくる。
そのうち全部を忘れてしまいそうだ。
そう思うようになってからは毎日のことを日記のように手帖に書く。
何時に起きて、なにをして、時々なにを食べたのか、どこへ行ったのか。
明日はなにをすべきか、来月は、来年は、そして「今」は。






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writing & photograph by JOHNNY BROWN(Urano Takahiro)


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